暑い夏、海や川へ行ったり、外で思いっきり遊びたいけれど、熱中症が心配になってしまいますよね。
もしも、おいしい甘酒を飲むだけで熱中症にならなくて済むなら、うれしいと思いませんか?
「でも甘酒は熱中症に本当に効くの?」
「いつ、どうやって飲んだらいいの?」
今回はこんな疑問に、分かりやすく、徹底的にお答えします。 この記事の後半には、甘酒を熱中症予防として飲むときと購入時の注意点も書いているので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
甘酒の栄養と熱中症予防の関係は?
結論から言うと、甘酒は熱中症予防に適した飲み物です。
ここには明確な理由があります。
「水分」「塩分」「糖分」
これらの栄養素をしっかり含んでいるからです。
「お酒は飲んではいけないんじゃないの?」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、その疑問には後程お答えいたしますね。
意外と知られていないことですが、甘酒は、スポーツ飲料と同様な栄養分を含んでいます。
もちろん、全く同じ、というわけではありません。
さらに言えば、甘酒にしかない栄養もあるので、その力を期待することもできるんです!
この後は、それぞれの栄養素が熱中症対策にどう働くのかを解説していきます。
覚えておきたいポイントは次の通りです。
- 水分補給が熱中症予防に必須
- 甘酒には塩分が適度に含まれている
- 糖分は水分補給を助け、エネルギー源になる
- アミノ酸は、熱中症対策と疲労回復に効果的
ではこの4つのポイントについて、以下で見ていきましょう。
水分補給が熱中症予防に不可欠
熱中症にかかってしまう理由は、「水分が足りなくなり体をうまく冷やせなくなるから」です。
甘酒にはもちろん水がありますから、水分補給ができます。
より詳しく解説しましょう。
私たちの体は大部分が水分でできていますが、一日に2.5Lもの水を体の外に出してしまっています。
サッカーを1試合すると約2000ml、散歩や通勤だけでも200mlほどの水分が失われるんです!!
なので、食べ物や飲み物からたくさんの水分を得なければいけません。
ここで重要なのが汗です。
汗をかくのがじつはとても大事。
蒸発するときに、皮膚から熱を奪うので、体温を下げることができます。
しかし、体から汗が出て行き続けると、その分だけ体の潤いが減ってしまいます。
もしも水が数パーセント少なくなると、体がうまく働かなくなるといわれていますから、汗を大量にかきすぎると大変なことになります。
例えば、頭痛やだるさ、吐き気が熱中症の一般的な症状ですが、最悪の場合は臓器に異常が起きて、死に至る病気でもあります。
他にも血液がめぐって体を冷やす働きもあるのですが、こちらも水が足りなくなればできなくなってしまいます。
だから、水が何よりも大事なわけです。
ぜひ、こまめに飲むようにしましょう。
甘酒には塩分が適度に含まれている
先ほどは水分の話でした。
こんどは塩分です。
塩分は汗をかくと、水と一緒に体の外に行ってしまいます。
だから塩分補給も大事なのですが、じつは、甘酒には塩分がちょうどいい量含まれているんですよ。
環境省の「熱中症環境保健マニュアル 2018」によると、「塩分濃度0.1 ~ 0.2%程度」の飲み物が勧められています。
この濃度を商品100gあたりに直すと、そのまま塩分0.1~0.2gです。
つぎにナトリウムに置き換えると、約40~80mgになります。
*計算式:ナトリウム[mg]=塩分[g]÷2.54×1000 そして、甘酒には、60mgのナトリウムが含まれています。
先ほどの「40~80㎎」の間に入っていますよね。
だから甘酒は熱中症予防に最適な量の塩分を含んでいるのです!
ちなみに、塩分が大事なのは、体内の塩分濃度をずっと同じにする必要があるからです。
そうしないと、バランスが崩れて、体がうまく動かなくなってしまいます。
その結果起きるのが、筋肉のけいれんなど様々な熱中症の症状です。
もし脱水症状のときに水だけを飲むと、症状がもっと悪くなる場合すらあります。
熱中症の知識として、覚えておくのがいいかもしれません。
糖分は水分補給を助け、エネルギー源になる
甘酒って、やさしい味でおいしいですよね。
これはお米のでんぷんからできた、ブドウ糖の甘味です。
熱中症予防のための糖分の役割は、水分の吸収を早めることです。
糖が腸で吸収されるときに、水分をひっぱっていくので、効率がよくなると考えられています。
そのため、糖分のおかげで水を早く吸収することができるのです。
しかも、甘酒に含まれているブドウ糖は、一般的な砂糖に比べて吸収がしやすいとされています。
ただ単にミネラルのある水というわけではなく、さらに水分補給に適した糖分があるなんて、お得ですごい飲み物だと思いませんか?
加えて、エネルギー源としても糖分が重要です。
これは、熱中症そのものというよりも夏バテ対策や、暑さに負けない体力づくりに必要でしょう。
糖分の分解を助けるビタミンも豊富にあるので、しっかりエネルギー補給をすることも期待できます。
甘酒を飲んで、熱中症にもならず、ハキハキと外で体を動かしましょう!
アミノ酸は、熱中症対策と疲労回復に効果的
最後の栄養素はアミノ酸です。
アミノ酸は、筋肉や皮膚、あらゆる臓器など、私たちの体を形作っているタンパク質の材料です。
全部で20種類が知られているのですが、その中でも必須アミノ酸に注目が集まっています。
9種類ある必須アミノ酸(バリン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、リジン、フェニルアラニン、トリプトファン、トレオニン、ヒスチジン)は体でつくることができません。
ですので食べ物からとる必要があります。
そして、甘酒にはこれらの必須アミノ酸がバランスよく含まれているのです。
必須アミノ酸の代表的な効果は、3つです。
- 体の疲労回復
- 筋肉の負担軽減
- 血管を広げる
暑い日差しにつかれた体と筋肉をいやしてくれるだけではなく、血管が広がることで血流をよくすることも期待できます。
そうなれば、体温調節もスムーズに行うことができるでしょう。
さらに、筋肉の材料にもなるので、トレーニングの支えになるともいえるでしょう。
甘酒をいつ、どうやって飲むのがいいのか?
ここまで、「甘酒が熱中症予防に効果的な理由」についてお話してきました。
特に大事なのは、「水分+塩分+糖分」でしたね。
それでは、「いつ、どうやって飲むのが効果的なのか」次はそんな疑問にお答えいたします。
熱中症対策として甘酒を飲むときに気をつけていただきたいのは次の点です。
- 米麴(こうじ)甘酒を選ぼう
- 塩分の量を確認しよう
- 糖分のとりすぎに注意
- 1日に200mlが目安
- 飲むときは冷やして
- 休憩の合間に飲むのがオススメ
購入時の注意点と飲む際の注意点に分けてご説明していきます。
購入するときの注意点
まずは、記事の冒頭に疑問としてあげられた「甘酒はお酒だから熱中症対策にはよくないのではないか」という疑問についてです。
心配な方もいるかもしれませんが、きちんと選べば安心ですよ。
米麹(こうじ)甘酒にはアルコールが含まれていないので大丈夫なんです。
一方で、酒粕甘酒にはアルコールが含まれているので熱中症対策には不向きであるといえるでしょう。
そもそも、アルコールは尿を増やします。
いわゆる利尿作用です。
すると体内の水分が失われてしまい、せっかくの水分補給も逆効果になってしまいます。
ですからアルコール飲料は熱中症対策にはNGです。
熱中症予防には、アルコールの含まれていない米麴甘酒を選ぶようにしましょう。
つぎに、ちょうどいい量の塩分を含む甘酒を選ぶのがより効果をあげる買い方であるということについてです。
実際に購入するときはパッケージの裏を見てください。
よく見ると「塩分相当量」とか「ナトリウム」と書いています。
復習になりますが、熱中症対策には、100gあたり塩分0.1~0.2g、またはナトリウム約40~80mgが効果的なんでしたね。
飲み方のポイント
甘酒が甘くて美味しいのは、糖分が含まれているからです。
高カロリーではないので1杯飲むくらいなら問題ありませんが、飲み過ぎは禁物です。
1日のオススメは200ml、だいたい大きめのコップ一杯くらいになります。
ということで、ごくごく甘酒を飲むのはあまり良くない方法になります。
甘酒は朝の一杯や運動の合間に飲むのがオススメです。
たとえば、海水浴の休憩時間に甘酒を飲むことで、体力回復と熱中症予防の両方が期待できるでしょう。
つぎが最後のポイントです。
暑い日の熱中症予防ですから、冷やして飲みましょう。
お正月に飲むものだというイメージがある方は、冷えた甘酒に驚かれるかもしれません。
私もそんな先入観がありました。
でも初めて飲んだとき、すっきりした甘さに驚かされ、冷たいけれども心は暖かいそんな気持ちになりました。
今度飲む甘酒は、ぜひ冷やして試してみてください!
まとめ 甘酒で夏を思いっきり楽しもう
甘酒のおいしさには、人をうるおす力があります。
理由としては、大きく次の2つがありました。
- 水分+塩分+糖分での水分補給が欠かせない
- 甘酒はその要素を満たしている
このほかにも様々な栄養が含まれている甘酒は、自然の恵みと作り手の想いがこもった飲み物、まるで贈り物のような存在です。
自分で飲んでみたり、家族にプレゼントしてみたり、みんなでシェアして暑さにへこたれない生活を実現しましょう!