麹ってどうやって作るの?製麹の工程を11ステップで解説👀

麹ってどうやって作るの?製麹の工程を11ステップで解説👀

こんにちは!

麹エバンジェリストの長瀬みなみです。


「フードコスメ ORYZAE」の商品全てに使われている”麹”。

名前を聞いたことはあるけど、結局どんなものなのかよくわからない……。
という声をよく聞きます。そこで、今回は麹がどうやって作られているのか、麹をつくる「製麹(せいきく)」のステップを11個に分けてご紹介していきます。

麹は日本の食文化を支える大切な技術!

麹は、日本の食生活になくてはならない日本の伝統技術です。
”技術”と聞くとイメージが浮かびづらいかもしれませんが、日本の発酵食品は麹がないと作れないものがたくさんあります。


和食を作るときに欠かせない醤油、味噌、酢、みりんなどの「発酵調味料」。
ほとんどが麹のチカラで作られています。
ほかにも、日本各地には麹を使った発酵食品がたくさん。郷土料理として各地に根付いているものもたくさんあります。
つまり、麹によって日本の味やふるさとの味が作られていると言っても言い過ぎではないのです!

 


麹はそのまま食べることはほとんどなく、食材を発酵させて美味しくしてくれる存在。なので、日本の大切な”技術”なんです。身近な存在すぎて意識することも少ないかもしれません

が、海外に行って和食が食べられないとその大切さを感じるという方もいらっしゃるのでは?まるで、別れて初めて気がつく恋人の愛情みたいですね……。

 

小さな見た目で大きな文化を作り出す、そんな存在が麹です。


麹はカビの仲間を使ってつくる


( 麹菌は顕微鏡で見るとタンポポみたいな形をしています🌻)


麹は、米、麦、大豆などの穀物に、「麹菌」という微生物を繁殖させて作ります。麹菌はどんな微生物かというと……実は、カビの仲間。みなさん、カビと聞くといい思いしないですよね。でも、麹菌もジャムとかにいつの間にか生えているアイツの仲間なんです。


穀物に麹菌を繁殖させると、麹菌は菌糸を伸ばして生育していきます。見た目がもふもふしてくるんです。しかし、麹菌は菌糸を伸ばしているだけではありません!

麹菌は生育しながら「酵素」をたくさん作り出してくれます。その種類はなんと100種類以上!この多種多様な酵素がたっぷり含まれたものが麹です。

 

私たちが麹を使った発酵食品を作る時は、麹菌が作ってくれた「酵素」を利用します。なので、麹は、麹菌が作り出す酵素を大量に効率よく利用するためのもの、ということ。上記で、「麹は技術」と言っていたのも少しイメージできるようになったのではないでしょうか。

 

麹のつくりかた11ステップ

では、麹作りはどのように行われているのでしょうか。麹を作る作業のことを、「製麹(せいきく)」と呼びます。みなさんはこの言葉からどんなイメージをしますか?どれくらいの期間をかけて、どんな作業をしながら麹が作られているのか……。考えたこともなかった!という方もいるかもしれませんね。

 

製麹にはいくつかのステップがあります。今回は、精米から完成までを11個のステップに分けてご紹介します。

 

1.精米

玄米の米を精米機で磨いていきます。最終製品によってどれくらい精米を行うかは変わります。
日本酒🍶のラベルで「精米歩合」と書いてあることがありますが、日本酒作りに使われる麹のお米がどれくらい磨かれているのか、ということなんです!ファーストステップの精米の段階でどんなものができるか決まるなんて驚きですよね。

精米機を使うと摩擦熱によってお米の温度が上がり、水分も少なくなってしまっているので、自然な湿度の場所で貯蔵する「枯らし」を行います。


2.洗米・浸漬

精米されたお米は、洗ってから水の中で浸漬させます。時間としては半日以上(15時間程度)のイメージですが、季節などによっても変化します。浸漬具合は、その都度人の目で確認して具合をチェックすることもあり、製麹では重要な部分。水分が多すぎると麹菌がうまく繁殖してくれないんです。

浸漬させたお米は、水切りをして余分な水分をなくします。


3.蒸し

水切りしたあとは、巨大な圧力鍋などに入れてお米を蒸していきます。麹作りをするときは、お米の処理は必ず”蒸し”ます。炊いたり煮たりすることはありません。蒸したくらいのお米のほうが麹菌が繁殖しやすいんです。

 

蒸し上がったお米は大体80度くらいのあっちっち。
麹菌をつけていきたいところですが、麹菌は50度前後を超えると死滅してしまいます。なので、まずは適温まで蒸米を冷まします。適温は30〜40度くらいのあいだ。麹菌が1番繁殖しやすい温度なんです。

冬の製麹では、寒くてさっさと温度が30度を切ってしまうので、管理が大変なのだとか。


4.引き込み

全体の温度が一定になった蒸米は、麹室(こうじむろ)と呼ばれる部屋へ搬入されます。麹室の中はだいたい30度くらいに保たれていて、麹菌にとってはイキイキ成長できる環境です。

蒸米はお米どうしがくっついてひとかたまりになってしまいます。これを崩して広げて、温度と水分量を調整していきます。内側の方の水分が多く外側の水分が少ない状態の蒸米のほうが、麹菌が水分を求めてどんどん中まで菌糸を伸ばしてくれるので、外側の水分を乾かしてあげるようなイメージです。


5.種切り

温度と水分量が適量になったら、いよいよ麹菌をつけていきます!

麹菌は胞子がパウダー状になった「種麹(たねこうじ)」の状態で販売されています。パウダー状の麹菌をふるいのようなもので上から振りかけていきます。


6.床もみ

麹菌の胞子が蒸米に均等にくっついてくれるようにするのが、床(とこ)もみ。蒸米を作業台の中央から手前に引き寄せて、手で揉み込んだらまた中央へ押し返していくのを繰り返していきます。30度前後の蒸米、とっても気持ちいいんです……!

全体が均等になったら、山積みにして布をかぶせます。布で覆われると中の保温と保湿ができるので、麹菌が活発に繁殖しやすい環境になるんです。


7.切り返し

翌朝になると、麹菌の菌糸が伸びて絡まるのでまた米粒がひとかたまりになります。すると、中の方には酸素が行き届きづらくなってしまうため、麹菌の繁殖にムラが生まれてしまいます。

そこで、また粒をバラバラに崩して布で覆い、繁殖を促していきます。


8.盛り

麹菌の繁殖が進んで発芽していくと、だんだんと全体の温度が上がっていきます。しかし、温度にムラができてしまうと麹菌の繁殖にも差が生まれてしまいます。製麹には温度管理が大切なんです。

 

温度や湿度を管理しやすいように、箱などに分けることを「盛り」といいます。「麹蓋(こうじぶた)」と呼ばれる木製のお盆や、それよりも少し大きめの「麹箱」という容器を使います。それを簡略化して麹床という大きな台を使って作ることも。それぞれ、用途に合わせて管理方法を変えるのが一般的です。現代では、製麹機という全自動で温度や湿度を管理してくれる機械も使われています。


9.中仕事

「盛り」を行ったあとはまた全体の温度が上がり、麹菌の菌糸も伸びていくため米粒がかたまりになってきます。温度管理のためにかたまりをほぐしてから、「盛り」の時よりも薄く平らに広げていきます。こうすることで酸素に触れる部分が多くなるので、麹菌が繁殖しやすくなるんです。


10.仕舞い仕事

「中仕事」のあとも麹菌の繁殖は進んでいき、まだまだ温度は上がっていきます。その温度は、なんと40度前後くらい!麹室の中もだいぶ暑くなっています。この頃になると、麹特有の栗のようなあまーい香りがただよってきます。口に入れてみても甘みを感じるくらいです。

「仕舞い仕事」は、読んで字のまま、最後に行う作業のことをいいます。かたまりをほぐして熱を逃がしたら、水分を逃がして乾燥させるために薄く広げていきます。空気に触れる部分を増やすため、溝を作ることも。枯山水みたいです。

 

11.出麹(でこうじ)

精米から約3日程度の時間をかけて麹菌を繁殖させていくと、麹が出来上がります。麹室から出して、麹菌が繁殖できない温度まで冷ましたら完成です。

出麹したままの状態のものを「生麹」と呼びます。「生麹」をさらに乾燥させて、常温で長期保存ができるようにしたものを「乾燥麹」と呼びます。どちらも製麹の方法は同じです。


日本の伝統を支える麹

麹の作りかたについて、詳しく説明してきました。米にカビをはやすだけ……といいつつ、その作業はとても細やかで時間のかかるものです。完成した麹がこのあとお酒や味噌といったさまざまなものに変化していくのだからとっても不思議ですよね。

日本の伝統的酒造りは、国の無形文化財に登録され、ユネスコ無形文化遺産にも提案されています。その中にはこの記事でご紹介した製麹の技術も含まれているんです。キッチンで手軽に使える麹発酵食品で日本の伝統文化を生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。

 

執筆者プロフィール

麹エバンジェリスト

長瀬みなみ



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